チラーによる水耕栽培の養液管理について

近年の温暖化により、夏のビニールハウスでの水耕栽培は高温多湿という過酷な環境に直面しており、農家や農業法人の方々は苦心されています。
夏の強い日差しによるハウス内の温度上昇に伴い養液の温度が上昇すると、根の活性が低下し、根腐れが発生しやすくなります。
また、養液中の溶存酸素量が減少し、作物の生育不良を引き起こす可能性もあり、養液の温度管理が重要な要素となります。
加えて、高温により養液の蒸発量が増加することで、結露によるハウスの劣化や、養液の補充・交換作業が必要になります。
そのため、近年では製造業で使用されているチラーを使用した養液の冷却事例が増えています。
ここでは、そのメリットとデメリットをご紹介いたします。
チラーによる養液冷却のメリットとデメリット
【メリット】
品質の向上
気温の変化に関わらず養液の温度を一定に保つことが可能となることで、作物の生育が最適化され、品質と収量の向上が期待できます。
根腐れ防止
高温になると養液中の酸素溶解度が低下し、根腐れが発生しやすくなります。
チラーによる水温管理により根腐れのリスクを低減します。
病害虫の抑制
特定の水温を維持することで病害虫の発生を抑制し、作物の損害を削減するとともに農薬の使用量を減らすことができます。
栽培可能な作物の増加
チラーを使用することで、高温に弱い作物や特定の水温を好む作物の栽培も可能になります。
【デメリット】
初期費用
チラーの導入には、本体価格・設置費用・電気工事費用など、イニシャルコストが必要となります。
ランニングコスト
チラーの運転には電気代が掛かるためランニングコストが増加します。
メンテナンス
チラーは定期的なメンテナンスが必要となります。冷却器への結露発生などにより、運転性能の低下や故障のリスクもあります。
当社が推奨する各種チラー
当社で取り扱っているオリオン機械のチラーには、水槽内蔵と水槽なし、小型から大型まで各種チラーがあり、自然エネルギーを利用して電気消費量とCO2排出量を大幅に削減した省エネチラーなどもございます。

以上、水耕栽培におけるチラー導入のメリットとデメリットをご紹介いたしました。
これらのメリットとデメリットを比較検討し、栽培する作物の種類と特性、ビニールハウスの規模、日照環境、コスト、管理体制など、各種要因を考慮して検討することが重要です。
東栄ではその他にも多数の関連製品を取り扱っています。
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