避難所の環境改善に有効な暖房とは
近年の災害頻発にともない被災者の方が増加する中、災害関連死への対策が国を挙げての急務となっています。なかでも災害関連死の多くを70歳以上の高齢者が占めており、避難所の環境改善については国・地方自治体にとって直近の課題として挙げられています。
避難所には学校などの体育館が指定されるケースが多く、冬の避難生活では寒さによる体調悪化を避けるため、館内でジェットヒーターを利用することもあるかと思います。
ジェットヒーターに使用する灯油は水素(H)と炭素(C)化合物のため、 燃焼する際に酸素(O)と結合して水蒸気(H2O)と二酸化炭素(CO2)が発生します。水蒸気が発生するため乾燥しにくいというメリットがあると同時に、二酸化炭素の発生というデメリットもあります。
避難所に適したジェットヒーターとは
ジェットヒーターには一般的に使用される赤外線式や温風式の他に、熱交換式のジェットヒーターがあるのをご存じでしょうか。実は今、熱交換式が避難所の暖房器具として注目され始めています。
通常のジェットヒーターは燃焼とともに二酸化炭素と水蒸気が館内に放出されるため、避難所での使用時には二酸化炭素濃度上昇やカビ発生のリスクがありますが、熱交換式は燃焼時の二酸化炭素や臭いを含んだ空気は屋外へ放出され、燃焼時の熱だけを取り込んだ空気を供給するためクリーンです。さらに、本体を屋外や避難スペース外に設置した場合は外気を取り込むため換気の役目も期待できます。
海外ではすでに導入が進んでいる
フィンランド・イタリア・アメリカなどでは災害対策として熱交換式ヒーターが採用されており、日本でも、自治体・医療機関・報道機関などが参加した北海道での避難所体験訓練では、熱交換式ジェットヒーターを点けるまで2度程度だった体育館の室温が8度~12度に上昇したという報告や、館内の二酸化炭素濃度が低下したという報告もあります。
熱交換式ジェットヒーター導入メリットのまとめ
- 清浄性・・・一酸化炭素中毒・二酸化炭素濃度のリスクが低減
- 効率性・・・暖気を供給するため館内を効率よく暖房することが可能
- 安全性・・・屋外配置が可能なため接触や火災のリスクが低減
- 快適性・・・換気効果が期待でき燃焼の臭いやカビの発生が低減
下記でも、避難所での熱交換式ジェットヒーターに関する情報がございます。参考にご覧ください。
NHK「災害列島 命を守る情報サイト」
一般社団法人避難所・避難生活学会「災害関連死を防ぐための避難所環境整備」8ページ
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製品情報は下記よりご確認ください。
弊社では、低体温症防止に役立つ発熱ブランケットも取り扱っています。
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※当記事公開時の情報です。